カフェインは積極的に摂るべきなのか、避けるべきものなのか。
カフェインレス生活を送る筆者が、よりカフェインについて詳しく知りたいと思い調べた内容をまとめました。
カフェインとは?
○ コーヒー・ココア・茶などに含まれるアルカロイドの一種。
○ 神経中枢に対する興奮作用のほか、強心・利尿などの作用をもつ。
(Definitions from Oxford Languagesより抜粋)
○ コーヒー、お茶、カカオなどに含まれます。
○ カフェインを添加した清涼飲料水(コーラなど)やエナジードリンクなども。
アルカロイドの一種とありますね。
アルカロイドって一体何でしょうか?
アルカロイドって?
植物中に存在し、窒素を含む塩基性化合物の総称。ニコチン・コカイン・カフェインなど。人畜に顕著な薬理作用をもつものが多い。
Definitions from Oxford Languages
また、
植物体に含まれる窒素を含む塩基性の有機化合物。
大辞林 第三版より抜粋
毒性や特殊な生理・薬理作用をもつものが多い。
タバコのニコチンや茶のカフェイン、ケシのモルヒネなど。
ニコチン、コカインと並んで例に出されていますね。
タバコや、コカインといえばその依存性や中毒になるということは多くの人が知っていると思いますが、カフェインもその仲間だということです。
食品にはどのくらいカフェインが含まれているのか?
食品安全委員会の資料にある表をお借りしました。
カフェインは非常に身近な食品に含まれています。
表の他にも、眠気覚ましのガムや頭痛薬にもカフェインが入っています。
知らずに摂取していることも多いかもしれません。
下の記事でカフェイン入り・カフェイン無しの飲み物をまとめています。
カフェインに味はある?
匂いは無く、味は苦いです。
ちょっと雑談:どうしてコーラにはカフェインが含まれるのか?
コーラってジュースですし、子供も飲むし、何故わざわざカフェインを加えているのか疑問に思ったことはありませんか?
その目的は実は”味”だったんです。
カフェインは苦味がありますので、コーラに苦味を加えるために、食品添加物として使用されています。
カフェインを摂取するとどうなる?
では、カフェインがもつ作用を詳しく見ていきましょう。
カフェインの作用は2つに分類され、
- 一時的な作用
- 慢性的な作用
の2つがあります。
それぞれどんな作用があるのか見ていきましょう。
一時的な作用
カフェインがもたらす作用は表裏一体。
良いものがある反面、悪い面にもなり得ます。
覚醒作用
GOOD: 眠気が覚める。集中力が高まる。
BAD: 睡眠に入りづらくなる。緊張感があり不安を感じやすくなる。
疲労回復感
GOOD: 疲労を感じにくくするため、疲れが和らいだ気分になる。
BAD: カフェインが切れた時の倦怠感がある。根本的に疲労は回復していない。
胃液分泌促進
GOOD: 消化を促進し、食後の満腹感を和らげる。
BAD: 胃炎の原因になる。
利尿作用
GOOD: 余計な水分を排出してくれる。
BAD: トイレが近くなる。脱水状態になりやすい。
慢性作用
カフェインの依存性
頻繁にカフェインが体に入ってくると人体の方がカフェインに対応し始めて効きにくくなります。
こうなってくると常にカフェインを摂取していないと眠気や疲労感、集中できない状態が続くという状況になります。
カフェイン摂取をやめて出るこれらの症状を離脱症状と言います。
そしてカフェインを摂取することでこれらの症状が消える。また欲しくなる。飲んでも効かない。量が増える。そしてより強烈な離脱症状に襲われる。
立派な依存症になってしまいます。
また恐ろしいことに、依存状態になり離脱症状を回避するために1回の摂取量が増えていくと、やがて中毒症状が起こる量に至ります。
中毒症状については次で説明します。
カフェインの健康への影響は?
過剰摂取に注意
カフェインの過剰摂取すると以下のような中毒症状を起こすことがあります。
・吐き気、嘔吐
・手足のしびれ
・動悸
・悪寒
・意識消失
・心肺停止
過剰摂取の量の目安は以下です。
- 一度に1g以上摂取すると、頭痛や不安、震えといった一時的な急性作用が出ることがある(カフェイン1gは、コーヒーを1.5L以上飲んだ時の量です)
- 一度に5〜10g以上摂取すると、生命に関わることがある。
よほどのことがない限り一度にこんな大量のカフェインを摂取することはないと思いますが、注意しましょう。
特にカフェインが大量に含まれているエナジードリンクや、カフェインの錠剤には気をつけましょう。
発がん性はないとされている
国際がん研究機関(IARC)による1991(H3)年の評価の結果、カフェインはグループ3(ヒトに対して発がん性であるとは分類できない)に分類されています 。
カフェインを制限した方が良い人
妊婦・授乳中のお母さん
妊婦のカフェインの過剰摂取は、流産や新生児の低体重のリスクを高める可能性があるといわれています。
子供
カフェインの作用により不眠や興奮状態を引き起こします。
病気の人
胃炎、うつ、肝臓が弱っている人は医師の判断を仰ぎましょう。
重要!カフェイン摂取量の目安は?
カフェインに対する感受性は個人差が大きいため、健康に及ぼす影響を正確に評価するこ
とは難しく、カフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されていません。
食品安全委員会で公表されているのは ”悪影響のない最大摂取量” です。
悪影響のない最大摂取量って、どれくらいでしょうか?
どれくらい摂取すると、依存の恐れや悪影響の恐れがあるのでしょう?
悪影響のない最大摂取量
欧州食品安全機関(EFSA)が発表している指針です。
○ 健康な成人 400mg/日 (150mlのコーヒー3〜4杯)
○ 妊婦・授乳中のお母さん 200mg/日 (150mlのコーヒー1〜2杯)
○ 子供 3 ㎎/kg 体重/日 *体重15kgで45mg (150mlのコーヒー1/2 杯)
妊婦のカフェインの過剰摂取は、流産や新生児の低体重のリスクを高める可能性があります。
また、授乳を通じて赤ちゃんがカフェインを摂取することで、不眠や興奮状態を引き起こす可能性があります。
1日に200mgというと意識しなければあっという間に超えてしまう値だと思います。
また、カフェインの代謝は人によって異なるので、200mg が絶対に安全かどうかも不安に感じます。
ディカフェ のコーヒー・紅茶やノンカフェインのドリンクを上手に選んでカフェインレス生活を楽しむことができれば良いですね。
まとめ:体質や生活状況に合わせて、上手く付き合おう!
最大摂取量に注意:特に妊婦さんと授乳中のお母さん
欧州食品安全機関(EFSA)が発表している指針を目安に摂取しましょう。
○ 健康な成人 400mg/日 (150mlのコーヒー3〜4杯)
○ 妊婦・授乳中のお母さん 200mg/日 (150mlのコーヒー1〜2杯)
○ 子供 3 ㎎/kg 体重/日 *体重15kgで45mg (150mlのコーヒー1/2 杯)
個々の体質に合わせて摂取量を調整する
上記で紹介したような発表はあくまで目安であり、1日の最大摂取量に届かなければカフェイン依存にならない、という訳ではないと思います。
カフェインによる効果はあくまで個々の体質によって変わってきますので自分の体とよく向き合うことが大切だと思います。(これが難しいところではあるのですが、、)
気づいたらカフェイン依存になっていた、、とならないように気をつけてください。
元カフェイン依存で離脱症状に苦しみ、現在カフェインレス生活を送っている私は、週に1、2回それも午前中にのみ、カフェイン飲料をとっています。
このペースの生活で今はカフェインの依存症状に苦しむことがなくなりましたので、これが自分に合っている量だと判断しています。
みなさんがカフェインと上手く付き合いながら、快適な生活を送れることを願っています。
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【参考・引用】
実は身近すぎる薬物中毒 ~カフェイン過剰摂取~https://www.cocokarafine.co.jp/oyakudachi/health/201901331.html
食品安全委員会
https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf